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2014年1月4日土曜日

子供とペットとグリーフケア Kinder, Haustier und Trauerarbeit...

 正月早々、6歳の娘の友達が泊まりに来ていました。うちの黒猫のクロのことから、その子が飼っていた猫の話になりました。その猫リリーは19歳で一昨年病気で亡くなっています。リリーも黒猫だったそうです。その子のお母さんから、彼女がリリーの死でどんなに傷つき落ち込んでいたかを聞いていたので、すこし慎重におしゃべりをしたつもりですが、突然その子が堰を切ったように泣き出しました。
 ちょうど私が、子供の頃飼っていた鳥が猫に連れ去られてしまった話をしていた時です。そして、私に聞いてきました。「その鳥はみつかったの?お墓はどうしたの?」「とても残念だけどその鳥は猫に食べられてしまっただろうから、お墓はないわ。」と答えると、その子は涙をながしながら一生懸命話してくれました。隣の家に大きな犬がいて、その犬がいつもそこらじゅうを走り回っていること。リリーを庭に埋めたら、きっとその犬がリリーを掘り出してしまう恐れがあるので、彼女の両親が庭に埋めなかったこと。話をきいているうちに、その子が、「リリーに会いにいけないこと(お墓参りにいけないこと)」「犬がリリーを掘り出している姿が眼に浮かんで怖いこと」を話してくれました。
まさか、正月の朝に子供のグリーフケアに対応することになるとは思ってもいませんでしたが、もちろん最後まで話を聞きました。
 死者に会いにいける場所、そして心のうちを話できる場所である墓所というのは、子供やペットでも、大人や人間と同じように非常に大切だなと再確認しました。また、傷つけられた体を思い起こすことはもちろん悲嘆回復に影響をもたらしますが、この子供の場合は、頭の中で実際には見ていない「犬に掘り起こされたリリーの死体」というものが恐怖となってずっと心に残っていました。それをずっと口に出せずにいたようです。
 今日の日本のペットブームで、ペットだけではなく、どれだけたくさんの子供の心が大人のエゴで知らないうちに傷ついているか、もっと真剣に考るべきでしょうね。
 

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