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2015年9月7日月曜日

福島 桧原湖にて夏休み

 ご無沙汰いたしております。ドイツの学校は今日から新学年のはじまりです。zenzai53も長い夏休みを頂いておりましたが、今日からまた活動しています。
 夏休み中にあった色々な出来事をぽつぽつと書いていこうかと思います。今年もまた、実家の仙台に帰省しておりました。その間に、福島県の裏磐梯方面へ子供を連れて短期旅行をしてきました。裏磐梯は子供のころよく訪れた思い出の地です。今回の訪問は一体何年ぶりでしょうか。五色沼も桧原湖も子供のころのイメージと全く変わらず、美しいままでした。磐梯山頂への急な山道もそのまま。とても懐かしかったです。桧原湖でのカヤックと水遊びは最高でした。ドイツ人に「福島で夏休みを過ごした」というと、ぎょっとされます。福島という言葉には、原発事故のイメージしかありませんから。説明してやっと、夏休みが過ごせる場所があると知ると、半信半疑で納得してくれます。
 原発事故については、日本国内でも急速にその興味が失われているのがわかります。しかし、地元福島の新聞やテレビニュースでは、未だに主要項目として大きく取り上げられています。新聞一枚にしても、大手紙と地元紙の温度差が異様に思われます。
 未来への好奇心が、オリンピックをはじめこれから新しくはじまるものだけではなく、震災被害からの復興という好奇心へもっと目が向けられることを祈ります。オリンピック開催に関して多大な損失がすでに出ていますが、その分でどれだけ震災被害者の新しい住まいへの補助へなっていたかと思うと、日本国の名を背負った議員や開催関係者への不信がとまりません。オリンピックを開催しても、被災者にその利益はどれだけ落ちるのでしょうか。おそらく全く落ちないでしょう。
 桧原湖周辺の旅行関係者が旅行者に向けて、被災者として未来への子供達にメッセージを伝えていました。子供達は真剣に聞いていましたが、それを聞く親御さんはどこか「ちょっとうざいな」という雰囲気があったのは事実です。
 アダム・スミスが『道徳感情論』の中で言っています。遠い国の未曾有の被害が起こった後に、他国に住む者から「深い哀悼」の意が発せられたあとには、嵐の静けさのごとく、その遠方で起こったことは忘れ去られていく…悲しいかな事実です。じゃあ、私にどうしろっていうのよ、と不快に思われている方がいるかもしれません。その苛立ちの一端を私ももっています。まずは震災への興味を失くさないこと。その興味が日常生活の色々な場面で繋がっていることを発見し、それを知人に伝えたり、または援助団体に賛同参加したり、福島を訪れてみたり、子供に伝えてみたり…と、伝言ゲームのように繋がっていくといいですね。

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