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2015年3月9日月曜日

おすすめの本 井筒俊彦著『イスラーム文化』 "Islamische Kultur" von Tohsihiko Izutsu

 いつかも書きましたが、毎日ブログ書ける人ってすごいわ… ちょっと視点を変えて、今読んでいる本、最近読んだ本なども書けば良いのだと気付きました。これならネタも底をつきそうにありません。
 今年に入ってからテロ続きで、もう一度イスラム文化について復習してみようと思い、迷わずに、日本が誇る碩学、イスラム文化の第一人者である井筒俊彦先生の『イスラーム文化 その根底にあるもの』を手に取りました。岩波文庫の青シリーズで出ています。井筒先生は残念ながら他界されましたが、先生の著書は永遠に受け継がれていくと思います。
 井筒先生は私が専門研究をしていた『大乗起信論』という仏教論書についてもすばらしい著書を残されています。これは『意識の形而上学』という題名で、東洋哲学覚書として中公文庫からでています。学術史上に残る一冊で、私にとって座右の書です。仏教学専門の先生ではないのに、その視点たるや、素晴らしすぎて言葉になりません。(笑)わけのわからない仏教論理にしかめっ面をしている私の前の霧が、すーっと晴れるてゆく感じをこの一冊を読んでいくうちに感じました。
 そんな経験をしていたので、イスラム文化といったら井筒先生の著書しかないだろう、ということで手に取ったのがこの本です。とにかく読みやすいです。そして薄いです。今世間を騒がせているイスラム文化について、学術的にわかりやすく説明しています。なーるほどと思うような内容も多いので、興味のある方は読んでみてください。最近のテロ事件に便乗して出ている多くの雑学本を手に取る前に、ばしっと一冊選ぶとしたらこの本をお勧めします。

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