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2018年3月14日水曜日

タクシーモハメッド3

 50代前半くらいの中東方面出身とおもわれるきちんとした身なりの運転手。保険会社と医者からもらった書類をみせ、大学病院までとお願いして走り出しました。すると「何科?」と聞かれ「婦人科」と答えると、「じゃあ15号棟ね」と即答。「ずいぶん詳しいですね。」とびっくりすると、「だって仕事だから。」と自信満々。タクシーなんて滅多に乗らないし、大学病院入り口門まででOKと思っていたので、広い大学病院敷地内の建物直前まで運んでくれるとは想像もしていませんでした。「今日は写真撮るの?」と聞かれ、定期的に撮られるMRTのこととわかった私は「今日は撮らない。毎週火曜日って先生が言ってた。」というと、「わかった。じゃあ今日はすぐ終わるね。」とのこと。感心している私にまた、「だってこれが俺の仕事だから。」とまた自信満々。文字にすると彼の様子がうまく伝わりませんが、彼の応答はとても紳士的で決して俺様調ではありません。そのため、私はすっかりこの運転手に興味津々になってしまいました。
  そこで、海外に住む外国人の特権として(私が特権と勝手に思っているw)、同じ外国人に直球でいろんなことを質問し始めました。「私は日本から来たんだけど、どっから来たの?
 」 「アフガニスタン」「何年ドイツに住んでるの? 」「24年、君は?」「イタリアも合わせると23年」「アフガニスタンのどこ出身?」「カブール」「家族は?」「みんな一緒に海外に出た。」と、話がはじまりました。「ドイツの前には、ロシアとカナダにいたよ。」とのこと。現在息子の一人はカナダで政治を勉強しているとも。政治に疎い私にはドイツ、ロシア、カナダと、彼の口から出て来る国名とその繋がりに考えを巡らしていると、「私の父は日本の大学院で政治を勉強していたよ。」と、さらに日本まで飛び出てきました。「だから小さい頃は日本にも少し住んでた。名前忘れたけど東京の近く。」私があっけにとられていると、「普通だよ、アフガニスタン出身の人間はみんなこんな感じ。」そうなんだ…知らなかった。
なんだか政治絡みのアホな質問をして運転手さんを傷つけてしまいそうな気がしたので、とりあえず無難な質問をしてみました。「国籍は今ドイツ?」と質問した直後に、どこが無難な質問だよ、おいっ!コラ!と後悔しても時遅し。「ドイツだよ。アフガニスタンは捨てた。」あーあ、やっちゃった…多分琴線に触れてしまったろうな…と猛省した瞬間に、「君は?」と聞かれ「日本のまま」と答えました。この典型的な応答の次に来るであろう言葉「日本ならそのままでいいよね」を聞く準備をしていると、意外にも「なんで?選挙権もらえないじゃん。」そう来るか〜… と、思案している間に、タクシー無線連絡が立て続けに入り、その会話は私の知らない言語で(アフガニスタン語)で明るく飛び交い、横で聞き耳を立てているうちに病院前に到着しました。続く…(多分あと3回くらい!読んでくれてる人ありがとう!w)

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